雇用連情報第59号

発行 全国視覚障害者雇用促進連絡会
発行責任者 伊藤慶昭
連絡先 田中章治（事務局長）
〒334-0071　埼玉県川口市安行慈林645-4
電話　048-285-9935
電子メール　koyourenアットマークnpo-jp.net
URL　http://www.koyouren.npo-jp.net
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郵便振替　00150-4-67809（加入者名）全国視覚障害者雇用促進連絡会
発行日 2013年11月1日

（この情報誌は活字版（標準サイズ）、点字版、フロッピーディスク版、電子メール版（雇用連メーリングリストで配信）で製作されています。必要な方はご連絡ください。）なお、都合によりテープ版については現在製作を中止しておりますが、必要な場合は検討します。

目次

  1. まえがき　会長　伊藤慶昭
  2. 厚生労働省交渉報告
  3. 「合理的配慮」のあり方について研究を行いました。　伊藤慶昭
  4. 電話相談事例に見えた「合理的配慮等」に関する事実について。（平成24年4月〜平成25年3月、45事例65事象）　下堂薗保
  5. 短信　伊藤慶昭

まえがき　会長　伊藤慶昭

　雇用連情報第59号をお届けします。

　この1年間の雇用連の活動で特筆すべきは、いわゆる職場における合理的配慮について、実際に事務職として働いている人のお話を聴いて検討したことです。会として何らかの見解が出せるほど議論を深めてはいませんが、私たちなりに安心して働き続けることができる条件整備の姿が見えてきたように思います。

　厚労省交渉は相変わらずの回答でしたが、今年6月に障害者の雇用の促進等に関する法律が改正され、障害者差別解消法が成立しました。このようなものが私たち視覚障害者にとってどのような影響を与えるのか注目していくとともに、実効あるものにするために運動を強化していかなければなりません。

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厚生労働省交渉報告

　本年3月13日、厚生労働省交渉が中央合同庁舎5号館内の会議室において行なわれました。当局側の出席者は、職業安定局障害者雇用対策課の内藤係長、望月専門官、小林専門官、能力開発課障害者企画係 小川専門官、労働基準局労働条件政策課法規係 服部専門官、老健局、保険局医療課 加藤専門官でした。雇用連側の参加者は、9名でした。

　以下、交渉の概要を簡単に報告します。

平成25年3月13日

厚生労働大臣　田村 憲久 様

全国視覚障害者雇用促進連絡会

会長　伊藤　慶昭

厚生労働省への要求

〈障害者権利条約関係〉

要求1

　障害者権利条約の批准にむけて、障害者雇用における合理的配慮について検討されているとのことですが、視覚障害者関係について、どのような内容になっているか具体的にお知らせください。検討中でしたら途中経過をお知らせください。

回答：

　厚労省としては、平成20年より、研究会を立ち上げ、障害者雇用審議会障害者雇用分科会で議論し、2010年4月に中間とりまとめを出した。同分科会では昨年9月より議論を再開し、具体的な内容が検討されている。いつまでに結論が出るかはわからない。一方、内閣府の障害者制度改革推進会議が設置され、合理的配慮の提供を含む障害者に対する差別の禁止等について、平成24年度内に、結論を得るという閣議決定が2010年6月になされた。そして、2010年11月には、差別禁止部会ができ、2012年9月には「意見書」が取りまとめられた。現在、これを基に、差別禁止関連法案の作成作業がなされていると聞いている。

雇用連：

　視覚障害者にとって読み書きの課題は、仕事をする上での重要な要素である。この機会に制度化して欲しい。

　「障害を有する職員が受けるリハビリテーションについて（平成19年1月29日・人事院通知）」のような規程が民間にも欲しい。これも一種の合理的配慮ではないか。

厚労省：

　そう思う。2010年3月、総務省の「公務部門における障害者雇用マニュアル」に、この人事院通知を加えてもらった。

〈法改正が及ぼす視覚障害者雇用への影響〉

要求2

　先の障害者の雇用の促進等に関する法律の一部改正によって、視覚障害者の雇用が促進されたかどうかお示しください。また、この改正を効果的にするため何らかの施策を実施したかどうか教えてください。

回答：

　施行は、2010年7月からである。法改正によって、視覚障害者雇用が進んだかどうかは、まだ判断できない。平成22年7月〜12月までのハローワークにおける障害者の職業紹介件数は、対前年度比19パーセント伸びている。来年度予算案には、ハローワークの雇用率達成指導、ハローワークを中心とした関係機関との連携強化、障害者就業生活支援センター設置箇所数を増やす等の施策を盛り込んでいる。

〈雇用情勢と障害者雇用〉

要求3

　雇用情勢は相変わらず厳しいものがありますが、障害者雇用にどのように影響しているか実情を示してください。

回答：

　平成24年6月1日の調査で障害者雇用率は、1.69パーセントと過去最高、6年連続で率を更新している。ハローワークにおける就職件数も平成22年度は24,241件、平成23年度は24,864件で平成21年度より増えている。しかし、法定雇用率の未達成企業もまだ過半数あるので課題も多い。

〈再就職支援〉

要求4

　病院マッサージ師や電話交換手などを解雇された視覚障害者に対する雇用対策を立て、再就職支援の他、ヘルスキーパーや事務的職種など新たな職域を開拓し、再就職のための支援を行ってください。

回答：

　事業主が障害者を解雇しようとする場合には、ハローワークに届出義務がある。これを受けてハローワークは、求人開拓や職業指導等、早期の再就職支援を行っている。その際、2011年度に改定した「視覚障害者の職場定着マニュアル」も活用していきたい。

〈視覚障害専門官の配置〉

要求5

　視覚障害者の職場定着・安定のために、特定の職業安定所に視覚障害者のことをよく理解した専門の担当相談員を配置してください。

回答：

　ハローワークには、障害者職業相談員、障害者専門支援員を配置し、きめ細かく対応している。本省においては、年2回の研修の中で、視覚障害者に対するパソコン指導の実際や、職業相談の実施方法を研修している。

〈視覚障害者雇用年次推移〉

要求6

　視覚障害者の雇用について、年次的にその推移をお示しください。

回答：

　ハローワークにおける視覚障害者の就職件数は、平成21年度1,824件、うち重度は、1,122件、障害者全体に占める割合は8.3パーセント、平成22年度1,961件、うち重度は、408件、障害者全体に占める割合は8.1パーセント、平成23年度2,108件、うち重度は、378件、障害者全体に占める割合は8.5パーセントであった。平成19年度は1,820件7,4パーセントで増加傾向を示してしている。

雇用連：

　視覚障害者の多くは、あはき業に従事しており、開業という自営を含めた就労支援策が急がれる。全鍼師会に委託している開業を目指す委託訓練も良いが、企業と組んだヘルスキーパーの訓練、特別養護老人ホームの機能訓練指導員のためのジョブコーチの活用をもっと考えてはどうか。

〈特定身体障害者雇用率制度〉

要求7

　国・地方公共団体は、特定身体障害者（視覚障害3級以下に適用される特定職種、あん摩マッサージ指圧師）、特定身体障害者雇用率100分の70を達成するため、法に基づく採用計画を作成し、すみやかに達成するようにしてください。また、同雇用率の達成が努力義務となっている民間企業に対しては、達成のための指導を強化し、必要に応じて雇い入れに関する計画の作成を命じてください。

〈職場介助制度の改善〉

要求8

　医療機関及び介護保険施設において、視覚障害者が働きやすいように職場介助者制度（非事務職）について、次の改善をはかってください。

回答：

　平成24年6月1日の状況報告の際、この件もあわせて報告させている。国・地方公共団体及び、民間については、要望にある方向で実施していきたい。

　（ア）医療機関及び介護保険施設においては、本制度を知らないことが多く、また、視覚障害者が職場介助者の委嘱を希望しても事業主が消極的な事例があるので、周知徹底をはかってください。

回答：

　障害者雇用納付金制度に基づく助成金制度は、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構（以下、「機構｣と略）が支給事務を行っている。事業主に対する相談、援助とあわせて、周知もしている。ハローワークでも事業主に対し、周知を実施している。

　（イ）職場介助者制度（非事務職）に、配置を加えてください。

　（ウ）職場介助者制度（非事務職）において、同一職場内に介助を受ける視覚障害者が複数いる場合に、一人の職場介助者が介助ができるようにしてください。

　（エ）全雇用期間に対して、職場介助者を適用してください。少なくとも、緊急に現行の適用期間を3〜5年延長してください。

回答：

　事業主が新たに障害者を雇い入れる際、経済的負担を和らげるために本制度ができた。永久に支給することは、効率的効果的制度の執行上、疑問がある。他の助成金との均衡上、困難がある。視覚障害者関係の他の支援制度も活用してほしい。また、推進会議の議論を見ながら、制度のあり方を検討していきたい。

雇用連：

「情報障害」という視覚障害者の特性をもっと受け止めるべきだ。

　（オ）民間に模範を示す意味からも公務員である視覚障害者への職場介助者制度を創設するよう、人事院に強くはたらきかけてください。

回答：

　障害者の雇用の促進等に関する法律第7条に基づく、障害者雇用対策基本方針の中で、指針を示している。具体的には、雇用主が行うべき雇用管理に関する基本的留意事項を定めており、視覚障害者については、援助体制の整備が中心となっている。

〈助成金等申請事務〉

要求9

　障害者雇用納付金制度に基づく助成金及び障害者雇用継続助成金に基づく助成金の申請手続を簡素化してください。並びに、都道府県協会において、申請手続を熟知するよう指導し、申請に係る手続を丁寧に助言するようにしてください。また、申請から給付までの時間を大幅に短縮してください。

回答：

　不正受給の防止の観点も必要である。本年度から申請手続きは、「機構」の職員が担当することになっている。事務手続きについて検討してもらう。

〈ジョブコーチ〉

要求10

　以前から要望している視覚障害者が働く職場に訪問してのパソコン等のＩＴ機器の操作指導について、2006年度の回答の中で、「ジョブコーチが有効」との見解をうかがいました。これを実のあるものにするため、パソコンサポートの技術のある視覚障害者専門のジョブコーチを増やしてください。

回答：

　養成については、「機構」が実施する研修の他、厚労大臣が定める民間の研修実施機関として4団体がある。今後も増やしていきたい。

職業能力開発局あて〈職業訓練〉

要求11

　視覚障害者が全国どこでも、地元で職業訓練を受けられるよう、指導員を養成してください。

回答：

　全国19カ所の障害者職業能力開発校が中核である。平成20年から訓練指導員を対象にして、視覚障害者の訓練技法や就労支援の研修をしている。地方から宿泊により、パソコン研修を受ける際の宿泊費の補助制度については、持ち帰って検討したい。

〈中途視覚障害者のリハビリテーション〉

要求12

　「障害を有する職員が受けるリハビリテーションについて」（平成19年1月29日、人事院通知により、国家公務員である中途障害者が職務を遂行するために必要なリハビリテーションについては、病気休暇や研修制度の中で受けることが可能となりました。障害者権利条約の理念に基づき、民間企業においてもこれに準じた取り扱いがされるよう、労働基準法関係の法令で制度化をしてください。

回答：

（労働基準局）法改正はなかなか難しい。労使の協議が前提となる。平成19年度より、「特に配慮を必要とする労働者に対する休暇制度の普及事業」を実施している。

〈機能訓練指導員〉

要求13

　介護保険下における個別機能訓練加算を増額してください。

回答：

　介護報酬単価につきましては、個別機能訓練加算の改定をさせていただいた。

　通所介護費において個別機能訓練加算として当該基準に掲げる区分に従い、1日につき次に掲げる単位数を所定単位数に加算するといたしました。

　イ　個別機能訓練加算（Ｉ）　　42単位

　口　個別機能訓練加算（�供法　�50単位

　別に厚生労働大臣が定める基準の内容は次のとおりである。

　イ　個別機能訓練加算（�機法ー，坊任欧覺霆爐里い困譴砲眦�合すること。

　（1）指定通所介護（指定居宅サービス等基準第92条に規定する指定通所介護をいう。以下同じ）を行う時間帯を通じて、専ら機能訓練指導員の職務に従事する常勤の理学療法土、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師（以下この号において「理学療法士等」という）を1名以上配置していること。

　（2）個別機能訓練計画の作成及び実施において利用者の自立の支援と日常生活の充実に資するよう複数の種類の機能訓練の項目を準備し、その項目の選択にあたっては、利用者の生活意欲が増進されるよう利用者を援助し、心身の状況に応じた機能訓練を適切に行っていること。

　（3）機能訓練指導、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、利用者ごとに個別機能訓練計画を作成し．当該計画に基づき、計画的に機能訓練を行っていること。

　ロ　個別機能訓練加算（�供� 次に掲げる基準のいずれにも適合すること。

　（1）専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置していること。

　（2）機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、利用者の生活機能向上に資するよう利用者ごとの心身の状況を重視した個別機能訓練計画を作成していること。

　（3）個別機能訓練計画に基づき、利用者の生活機能向上を目的とする機能訓練の項目を準備し、理学療法士等が、利用者の心身の状況に応じた機能訓練を適切に提供していること。

要求14

　「福祉施設における視覚障害者の雇用促進のための障害者雇用マニュアル」が改訂されました。その後の介護保険施設における視覚障害者機能訓練指導員に対する雇用促進への厚生労働省と各都道府県の取り組みについてお示しください。

回答：

　2010年、「視覚障害者の職場定着推進マニュアル」が改訂されたので、あらためて特養等の施設長が集まる会議において、視覚障害者を機能訓練指導員として雇用するよう、労働局、ハローワークを通じて要請した。

要求15

　2007年4月より介護老人福祉施設において個別機能訓練加算となり、個別機能訓練計画書が義務づけられました。現在の各施設の個別機能訓練計画書では視覚障害者が使用できず、働き続けることが困難な状況になっています。個別機能訓練計画書を視覚障害者が使えるような書式や音声対応にしてください。

回答：

　平成20年8月から事務の簡素化を図り、職種間で連携し、記入していただいてよいこととした。

雇用連：

　チームワークで処理すると言っても現場ではできていない。

要求16

　柔道整復師が行う個別機能訓練について

　柔道整復師の業務は、骨折、脱臼、打撲及び捻挫並びにこれらの後療法に業務範囲が限られているので、その業務範囲を超えてマッサージ等の行為を行い個別機能訓練を実施することのないよう関係者に周知してください。

回答：

　そのようなことがないよう関係機関と連携いたします。

要求17

　はり師きゅう師の機能訓練指導員への新たな参入について 　はり師きゅう師である機能訓練指導員の新たな参入については、個別機能訓練の目的及び視覚障害者の雇用の確保という両面から、参入させないでください。また、はり師きゅう師が参入した場合は「前揉捏・後揉捏」と称しマッサージ類似の無資格マッサージ行為が助長される恐れがあります。

回答：

　はり師きゅう師である機能訓練指導員の新たな参入については、全く検討しておりません。

〈消炎鎮痛等処置診療報酬の引き上げ〉

要求18

　「消炎鎮痛等処置」〈手技による療法〉の診療報酬を適正に引き上げてください。

回答：

　医療保険においては、有効性をかんがみ、点数設定を中医協で実施している。

雇用連：

　マッサージ点数が1983年以来、35点に据え置かれている状況はおかしい。


以上

〈資料1〉ハローワークにおける視覚障害者の就職件数

年度視覚障害者（件）身体障害者（件）視覚障害者の割合（％）
平成21年度1,83522,1728.3
平成22年度1,96124,2418.1
平成23年度2,10824,8648.5

〈資料2〉視覚障害者の職業紹介状況　（平成23年度第1四半期（7月から12月まで）累計）

１．概況（件、人、％）

新規求職申込件数うち重度有効求職者数うち重度就職件数うち重度就職率うち重度
8014686,5903,64864537880.580.8

２．職業別就職件数（件、％）

職業視覚障害者構成比重度構成比
合計645100378100
専門的・技術的職業40562.829477.8
あんま・鍼・灸・マッサージ35655.226169.0
（うち就職先が医療機関）(49)(7.6)(33)(8.7)
（うち就職先が施術院）(268)(41.6)(198)(52.4)
ヘルスキーパー182.8154.0
機能訓練指導員172.6143.7
理学療法士30.520.5
ケアマネージャー10.200.0
情報処理技術者40.610.3
管理的職業00.000.0
事務的職業8513.24211.1
販売の職業213.392.4
サービスの職業304.771.9
保安の職業111.710.3
農林漁業の職業101.610.3
運輸・通信の職業81.230.8
電話交換手50.820.5
生産工程・労務の職業6610.2164.2
分類不能の職業91.451.3

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「合理的配慮」のあり方について研究を行いました。伊藤　慶昭

　障害者雇用促進法が改正され、ある程度職場における配慮の充実について厚労省でも議論されるようになってきた中、私たちは自分たちの要求形成のために、現在職場で順調に働いている方をお招きして報告をいただきました。期間は2012年5月19日から2013年3月24日までに3回実施し、毎回2名の方をお招きしました。男女、学齢期からの視覚障害者か中途障害かなどに配慮して選定に勤めましたが、相手がたの都合もあり男女比などに偏りが出てしまいました。

　次の表は、その概要をまとめたものです。研究会は毎回半日にわたり、突っ込んだ討論が行われましたが、あえて傾向をつかむために簡潔に表にまとめました。

�．ぅ縫轡礇�
�∪�別
��使用文字、視力など
�ざ般各睛�
�ヌ筍� 採用試験を受けるとき、障害のことについて、業務に直接関係のない事柄についても問題になったか。
�μ筍� 人事評価について、障害を理由にして不当に低くされたと感じたことはあったか。
��問３ 待遇について、障害のない人とあまり変わらない業務内容なのに、非正規社員であるなど、不当に低くされていることはないか。
��問４ 業務に必要な機器や人的サポートは得られているか。
��問５ 社内のコンピュータネットワークにはアクセスできるか。
��問６ 仕事に必要な研修は、他の社員と同様に受けられるか。また、社内ネットワークの利用やアプリケーションソフトの利用についての研修を受けることができるか。
��課題など
�。圍�
��男性
�Ｅ聖�
�ぜ�注や売り上げの数字を集計して会議資料を作成する。特許関係の提案をまとめる。
�テ辰砲覆掘Ｂ膤愀侏海世辰燭里妊灰鵐團紂璽燭�使えることは理解された。
�ζ辰砲覆ぁ�
��特にない。
�┘好�リーンリーダーと点字ディスプレイが配置されている。ＳＥ出身の同僚などのサポートが受けられる。紙の書類はほとんど扱わない。通勤経路について本来は徒歩のところを電車利用を認めてもらった。
��アクセス可能で、システム担当者が視覚障害者の環境についても研究してくれる。
��新人研修は同等に受けることができた他、卒業した盲学校にコンピュータ操作の研修に行くことができた。
��アクセスからエクセルへのインポートがうまくいかないので、他の社員のサポートを受けている。将来管理職になる場合、部下の仕事を見なければならないが、それが可能だろうか。勤務評定の表が読みにくい。
�。腺�
��男性
�Ｅ聖�使用。
�さ詬燭篁�間外勤務、休暇、旅費などの計算。電報の発信。
�ィ下〔明椶妊僖愁灰鵑離妊皀鵐好肇譟璽轡腑鵝�
職リハもデモンストレーションに使えそうな資料の準備をするなどサポートをしてくれた。
�ζ辰砲覆ぁ�
�Ш陵儻緘焦�は契約社員だった。現在では給与や人事評価は平等だと思っている。
�┘好�リーンリーダー、点字ディスプレイ、ドットビュー（図を見ることのできる点字ディスプレイ）。職場介助者は必要ないとの判断。周囲の同僚や上司がサポート。紙の書類はほとんど扱わない。内線番号表が読みにくいので、読みやすいように加工してもらった。
��できない。従って集計したものをアップした後の訂正は不可能。
��受けられるが、資料を読めるようにする対応はない。
��管理職になる場合、部下の仕事を見なければならないが、それが可能だろうか。昇進試験を受けた時、レポートにその課題を書いた。
�。稗�
��男性
��弱視。白杖使用。
�じ朕余霾鶸愀犬竜�定の文言の検討。内部監査。コンプライアンスに関する社員教育。
�ゾ祿下圓旅臚洩明椶任詫�歴書を机にぽんと投げられたり「あのさあ」と見下した対応をされたこともあった。今の会社は熱意をもって誘われた。
�ζ辰砲覆ぁ�
��
�┘好�リーンリーダー、拡大ソフト、拡大読書器を配置。自分の部署の人数が少ないのでサポートを受けにくい。押印は拡大読書器で対応。
��データベースは会社独自の開発で、一部読まないところがある。
��自分で見つけて希望すれば受けられる。
��就職が早く決まったので、十分パソコンの訓練を受けられなかった。困ったらネット検索等で対応している。社員の中には、挨拶してくれない人とか見てみぬふりをする人もいる。目の病気の進行が心配で、３箇所の眼科に通っている。
�。稗�
��男性
�Ｅ聖�使用。強度弱視、足にも障害がある。
�じ�務員。大学で法律を学んだということで、外国人登録、国民健康保険事務の市町村・団体指導、労働相談、広報公聴、消費者相談の業務を経験。
�テ辰砲覆ぁ�
��自分だけ低いということは感じない。
�О枡粟茲任肋錣鵬甍�配置となるので、組織としては、戦力としては認められていない感じがする（後になるとあてにされるようになるが）。
�┘好�リーンリーダー、ピンディスプレイ、ＯＣＲソフト、読み上げソフトと相性のよい専用のワープロソフトやメールソフトを配置。アルバイト１名がサポート。
��グループウェアにアクセスできない。（今後バリアフリーになるよう改修予定）
��研修は受けられるが、情報がグループウェアで来るので見落とすことがある。資料は電子データでもらったり、事前に紙をスキャナで読んで対応。パソコンソフトの研修は、会場に読み上げソフトがないので困難。
��上司や人事担当の中には、自分の理解や知識の枠内でしか障害について理解しようとしない人がいる。 人的サポートがないと、職員として働けないと思われるのではないかと感じる。
�。硲�
�⊇�性
�Ｅ聖�使用。
�こ道訶世留�査（問題点を把握するためのインタビュー）の録音を文字におこす。
��
��
�Х戚鷦勸�。
�┘好�リーンリーダー、ミキサーイヤホン、プレクストーク（録音図書再生機、個人所有）。耳を守るため２時間に１度の休憩。校正は社員が行い、ページや行番号で知らせてくれる。
��言及はなかったが、共有フォルダにはアクセスできる。
��どのような研修があるか知らない。
��
�。圍�
�⊇�性
��弱視。墨字使用。
�し戚鸚茲�反社会的な人であるかどうかチェックする。メールで依頼がある。データベースで検索可能なもののみ対応。紙ベースでの警察への照会は上司が対応。
�グ柄阿楼貳模箸覇�いていたが、2001年からは障害者雇用の扱い。入社試験は見やすく文字を拡大してくれた。
�ζ辰砲覆ぁ�
�Х戚鷦勸�。
�┘好�リーンリーダと拡大ソフトが入っている。周囲のサポートも受けられる。
��アクセスできる。
��受けられる。また、障害のある社員を集めた研修は、他の部署の仲間と交流できてよかった。
��正社員は遅くまで残業している。目の負担を考えると、正社員になって他の人と同じように働けるのか悩んでいる。

　この結果を筆者なりに分析すると次のとおりです。

1　業務遂行上の配慮内容は固まっている。

　どの例も、スクリーンリーダー、画面拡大ソフト、人的サポート（外部または同僚や上司）について配慮されています。視覚障害者が働く上で必須の配慮内容であることがわかります。

2　業務内容の傾向

　業務内容は、電子文書で対応可能な、データ検索や集計、コンプライアンス関係のチェックが多くを占めています。また、複雑なレイアウトの表を扱ったり、色で識別された文章表現にも対応していないとのことでした。

3　採用試験について

　概ね問題はないようです。しかしこれは成功例を取り上げたからで、何十社も回ったが断られた、障害者採用の集団面接ではじめから採用する気を感じなかったといった問題が指摘されました。現在就職活動中の事例をあたった場合、もっと厳しい現実が浮き彫りになることが考えられます。

4　人事評価について

　これについてはほとんど問題の指摘はありませんでした。しかしもともと公平な評価について定義することも難しく、厳密に検討することは困難と考えられます。少なくとも障害を理由に不利益な扱いをされていないこととはいえるのではないでしょうか。

5　待遇について

　給料について差があると感じている例はありませんでしたが、身分が契約社員であることが気になります。社会一般に非正規労働が多くなっているので差別であるか判断しにくいが、「どこまでできるかわからないのでとりあえず契約社員で」といわれたり「障害者は最初から正社員ということはないだろう」という発言は心に留めておくべきでしょう。

6　社内ネットワークへのアクセス

　2例を除いて可能のようです。これにアクセスできない場合他の社員との情報共有ができないばかりか、作成したデータにミスが見つかった後自ら修正できないなど、責任をもって仕事を完了することができないので必須事項となると思います。その場合システム担当部門の理解と協力が不可欠で、検討に対して時間とコストをかけてもらえるかが気になるところです。

　読み上げソフトなどがインストールされたパソコンをネットワークに接続することが、システム全体に悪影響を与えることは考えにくいです。ただ、スクリーンリーダなどがインストールされたパソコンは不安定な場合があり、データベースにアクセスしている途中でエラーになった場合のデータ保護が課題になると思います。

7　課題

(1)　視覚障害に対する正しい理解がされているか

　これについては当事者側からはわかりにくいと思われます。公務員職場では民間にくらべてこのあたりはオープンに語られると思うのでその例を見ると、「上司が自分の枠の範囲でしか視覚障害について理解していないのではないか」ということが状況を代表しているのだと思われます。そして使用者の理解の範囲内で業務分担を決めていると考えられます。したがってOJT（企業内教育）についても、IT機器操作はもちろんのこと、障害に配慮したかたちで受けられているかどうかも疑問です。

(2)人的サポートについて

　外部にサポートを依頼しているケースの場合、ICT技術の発展により、サポートの時間を減らしてもよいのではないかという声がありました。

　しかし上記のとおり、現状の上司の理解の範囲内で仕事を割り振られているからこそサポートの必要を感じないのであって、紙文書の処理、レイアウトの複雑な表への記入、色で識別された文書の取り扱いなどの業務に対応する場合、サポートは不可欠となると考えられます。

(3)昇進について

　多くの場合表面上門戸は閉ざされていないようです。しかし当事者からは、立場が上がって部下の仕事のサポートができるだろうか、という不安が出され積極的に望んでいる様子はうかがえません。

　ノーマライゼーションの視点からは、障害があっても職場で年齢相応の立場になり発言していくことが望ましいことは、否定の余地がないでしょう。しかし組織が大きくなればなるほど、マネージメントには広い知識が必要であり、職務経験が限られる視覚障害者にとって、対応することが可能なのか検討が必要になります。また紙ベースや表形式の文書の決裁や判断にスピードを求められることが考えられるので、有能なサポーターの確保も含めて人的サポートの充実が求められます。と同時に障害のある職員のキャリアサポートの課題も解決しなければなりません。

(4)身分について

　雇用連は、障害労働者の働き方として短時間労働が話題になるとき「視覚障害の場合それはあてはまらない」と主張してきました。

　しかし、NHKでも女性の労働との関係で報道されたように、正社員の長時間労働は増加しているともいわれています。過酷な労働の視力への影響については検証されていないといわれていますが、身近な弱視者の話を聴くと、多くが体調の悪い日は視力も落ちるといいます。またスクリーンリーダーでパソコンを長時間使うことは、頭の中で画面構成を構築しながら作業することであり、聴力への影響も含めて、これが心身に与える影響については研究が求められるところです。このような問題を考えるためには、雇用環境一般の情勢にも関心をもち、労働問題に取り組んでいる団体とも協力していかなければなりません。正社員の労働環境が真にワーク・ライフ・バランスを確保したものであってこそ、障害者も安心して働き続けることができるのではないでしょうか。

終わりに

　この研究は少数の好事例の検討ということで、統計的に整理できるほど充実したものにはなりませんでした。しかし、働く上での必須の配慮事項、安心して働き続けるための課題については、ある程度浮き彫りになったのではないかと思います。

　私たちはこの内容を分析し、今後の要求につなげていかなければなりません。

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電話相談事例に見えた「合理的配慮等」に関する事実について
　（平成24年4月〜平成25年3月、45事例65事象）下堂薗 保

　国は、「合理的配慮等を内容とした」障害者権利条約の批准に備え、国内法の整備を進めていましたが「禁止法」から「解消法」に名称を変えて「障害者差別解消法（障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律）」が平成25年6月19日に成立しました。ただし、施行は、3年後という変則的な法律とともに、検討段階からあった名称や内容が変更されたこと等は、後退した印象は否めません。しかし、これまで手がかりになる法律がなかったところにこの解消法が成立したことは、大きな一歩だろうと思います。

　法曹界からは、80％方、前進したと評価する声があると、各紙は報じています。

　なお、国連障害者権利条約は、2006年に採択され、すでに批准した国・地域は130をこえたといわれますが、日本はまだ批准していません。この差別解消法や、改正障害者基本法、同、改正障害者雇用促進法が批准の基礎になるとされています。

　ところで、NPO法人タートルでは、かねてより、「電話とメール」による相談に対処していますが、このたび、電話による相談事例を通して、「合理的配慮」等に関連すると思量される事項について、その記録から（A：配慮された事例、B：配慮されなかった事例、C：偏見差別の事例、D：本人のみならず社会をも含めた障害の受容欠損事例）の4つのカテゴリーに分析し、その結果を考察したので報告します。

１．分析

A：配慮された事例 65件中22件（34％）

　この22件の内訳は、(1)訓練容認事例13件（約59％）、(2)適職へ配置事例5件（約23％）、(3)思いやり支援事例4件（約18％）。表A参照。

B：配慮されなかった事例65件中27件（約41％）

　この27件の内訳は、(1)配慮されない事例11件（約40％）、(2)解雇事例11件（約40％）(3)冷淡（いわばパワハラ）事例5件（約19％）。表B参照。

C：偏見差別の事例65件中9件（約14％）

　9件の事例内訳は表C参照。

D：本人のみならず社会をも含めた障害の受容欠損事例65件中6件（約9％）

　6件の事例内訳は表D参照。

表A 配慮された事例

事例　訓練容認

内容件数
職業訓練の受講許可3件
生活訓練受講許可3件
周辺補助機器の導入配慮4件
リハビリテーション後職場復帰を容認2件
休職・訓練を容認1件

小計13件　59%

事例　適職へ配置

内容件数
現場部門から事務部門へ配置転換2件
本人に適した仕事を割り当てる1件
何が適した仕事か、会社が発掘に率先協力1件
一般校から盲学校へ転向容認1件

小計5件　23%

事例　思いやり支援

内容件数
不自由に対して手を貸したり、工夫したり、居心地よいさわやか支援体制1件
退職に対し、延長措置考慮1件
退職金と補助機器の代金、希望通り容認1件
会社が失明者の雇用経験がない現実に備えて、産業医自身が学習1件

小計4件　18%

合計22件

表B　配慮されなかった事例

事例　配慮なし

内容件数
職業訓練の受講を配慮してもらえない3件
職業訓練の意義を理解してもらえない1件
職場内において、配置転換配慮なし2件
そろそろ限界かと圧力をかけられ、職業訓練、補助機器、配置転換などの配慮なし1件
補助機器の整備等考慮なし1件
診断書を添えて視力低下を説明。達成目標の数字の見直しを求めても配慮なし1件
職場内において、配置転換配慮なし2件

小計11件　40%

事例　解雇

内容件数
休職期間満了で退職を強要される4件
進行性疾病とわかったとたん、見えなくなった時対処できないと解雇1件
在宅勤務の予告が、事情が変わったと突然解雇通告1件
「見えなければ辞めるしかないね」と冷淡に突き放される1件
ノルマを達成できなければ解雇、自ら職を探すこと、と冷淡な通告1件
中小企業のため、社内に対処できる仕事がない、と解雇1件
運転手は、目が悪いとできないからと解雇1件
接客業は視力低下では不可能とやむなく退職1件

小計11件　40%

事例　冷淡（パワハラ）

内容件数
達成目標が強いられ、ストレスが高じてうつ症状を発症1件
職場復帰しても仕事をもらえない1件
ケアマネとして仕事をもらえない1件
まったくの孤立無援状態1件
手帳に該当するかしないか微妙な状況者は、福祉的支援を受けるのが難しい1件

小計5件　19%

合計27件

表C

事例　偏見差別

内容件数
視覚障害者は仕事はできないと決めつけ、ただ出社させるだけで仕事をさせようとしない1件
説明を尽くしても業務遂行能力低下が視覚障害のためと容認しない1件
できる仕事は何か、協力してみつけようとしない1件
仕事が遅い、間違いがある、二重手間がかかる等と、欠点を指摘するだけ1件
視覚障害者は何もできないと、偏見的に見る風潮1件
いやがらせ、皮肉、見下し、屈辱感等、精神的圧力1件
差別的扱いに、無力感のみ1件
給与の大幅なカット1件
一方的に賃金を引き下げられ、退職誘導1件

合計9件

表D

事例　障害受容欠損

内容件数
見えないという状態を理解してもらえない1件
雇用主のパワハラは許せない、と立腹1件
一家の主が、障害の受容ができないため、仕事、家族の日常生活に悪影響1件
見えない者は不用と、親族会議で離婚を強要され離婚1件
育児中の母親の視力悪化に、家族は視力低下への対処法がわからず戸惑うばかり1件
看護師自身、視力低下に伴い職務の継続に不安感1件

合計6件

2．考察

A：配慮された事例においては、

  1. 訓練容認22件中13件（約59％）。
  2. 適職へ配置22件中5件（約23％）。
  3. 思いやり支援：22件中4件（約18％）。

などと、視覚障害者の就労継続にとって必須要件とされている訓練等がしっかり配慮された事実は、大いに評価できます。その中で訓練関係が約59％、適職配置が約23％に達しており、合計82％を確保している事実は、視覚障害者の働く要件に対する理解が高まりつつあると解釈しています。

B：配慮されなかった事例においては、

  1. 配慮なし27件中11件（約40％）。
  2. 解雇27件中11件（約40％）。
  3. 冷淡（いわばパワハラ）：27件中５件（約１９％）。
  4. 配慮なし：約40％、
  5. 解雇：約40％、
  6. 合計約80％

    7. と高い比率は、前記のA類に比べ、雇用主の冷淡な、きわめて厳しい見方が反対側にあることが認められます。

    　さらに、C：偏見差別の事例においては、偏見差別65件中9件（14％）と、偏見差別は減少しているようにも感じられますが、しかし、B：配慮されなかった事例と考え合わせると、依然として厳しい無理解があります。

    　D：　本人のみならず社会をも含めた障害の受容欠損事例においては、障害受容欠損65件中6件（約9％）と低いが、この傾向は恒常的にこのような傾向かどうかはこのデータだけでは何とも言えないので、更なる多くの事例の検証が必要と思えます。

    ３．結論

    　全体的には、A：配慮された事例65件中22件（34％)に対して、B：配慮されなかった事例65件中27件（約41％）と、配慮されなかった事例が7％も高い結果でした。

    　更に、詳細は、A：配慮された事例の22件に対して、B：配慮されなかった事例27件とC：偏見差別の事例9件、合計36件と、合理的配慮をしてもらえない悪い方が高い集計結果になっていますが、しかしながら、このように、配慮してもらえるようになった件数が、思いのほか多かったことについては、安堵するものがあります。ただ、配慮してもらえない件数が7割近くも多い結果は、視覚障害者の就労の拡大が改善されない証がここにあると言えます。一日も早く、「差別解消法」の精神が活かされるなどして、この現象が逆転し、普通に配慮されるようになることを切望するものです。

    　それと本人にとって障害を受け入れることは、耐え難いつらいことですが、しかし受容はその後の人生を左右することが多いので、ロービジョンケアの受診や、同じような境遇にある者の例を参考に、勇気をもって決断し、一日も早く障害を受け入れ、QOL（生活の質）の向上を図る方向に気持ちを切り替えることを切望してやみません。

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    短信　伊藤慶昭

    障害者の雇用の促進等に関する法律の改正と障害者差別解消法の成立について今年6月、私たちの活動と密接に関係のある標記2法が成立しました。これについて自治労が要点をまとめておりますので引用します。

    今回成立した障害者雇用促進法改正案では、以下の事項が盛り込まれている。

    1. 障害を理由とする雇用全般における差別を禁止する。
    2. 職場における障害者への合理的配慮の提供を義務付ける。
    3. 差別禁止や合理的配慮の提供に関し、厚生労働大臣が必要に応じて事業主に助言・指導、勧告を行う。
    4. 事業主に対して、障害者からの苦情を自主的に解決することの努力義務化と紛争について、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律の特例（紛争調整委員会による調停や都道府県労働局長による勧告等）を整備する。
    5. 精神障害者を雇用義務制度の対象とする。

    障害者差別解消法案では、以下の事項が盛り込まれている。

    1. 障害者基本法の差別禁止の原則を具体化する新法としている。
    2. 障害の有無によって分け隔てられないことを明記している。
    3. 障害を理由とする差別等の権利侵害行為を禁止している。
    4. 社会的障壁の除去を怠ることによる権利侵害を防止することとし、合理的配慮を確保しないことを差別としている。
    5. 差別を解消するための支援措置として、国と地方自治体に相談と紛争防止等のための体制整備と啓発活動等を明記している。

    　（伊藤補足）雇用促進法について公務員は除外とされています。これはまったく対象外にするというより、国家公務員地方公務員などにはそれぞれ任用に関する制度がありそちらで対応することになっていると解釈できると思います。したがって、この関係では雇用促進法の趣旨を反映するように運動していかなければなりません。

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