雇用連情報 第56号

発行 全国視覚障害者雇用促進連絡会
発行責任者 田中章治
連絡先 田中章治(会長)
〒334-0071 埼玉県川口市安行慈林645-4
電話 048-285-9935
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郵便振替 00150-4-67809(加入者名)全国視覚障害者雇用促進連絡会
発行日 2010年8月1日

(この情報誌は活字版(標準サイズ)、点字版、フロッピーディスク版、電子メール版(雇用連メーリングリストで配信)で製作されています。必要な方はご連絡ください。)なお、都合によりテープ版については現在製作を中止しておりますが、必要な場合は検討します。


目次

まえがき
厚生労働省交渉報告
ロービジョンケアとは?その意義について
身障手帳等級決定の改善について
法定雇用率未達成企業名の公表について
改正労働基準法が施行されました
「視覚障害者の職場定着推進マニュアル」が改訂されました
(資料1)視覚障害者の職業紹介状況(平成21年度累計)
(資料2) ヘルスキーパー雇用企業一覧(表1)
(資料3)平成22年度診療報酬改定(関連部分
その1 鍼灸マッサージ療養費の算定基準の見直し
その2 柔道整復療養費の算定基準の見直し

まえがき

雇用連情報56号をお届けします。資料の掲載の可否について一部確認が遅くなったので、例年よりやや遅い8月1日発行としました。

今回も資料性の高いものになっています。御活用いただければ幸いです。


厚生労働省交渉報告

2010年3月8日(月曜日)午後3時から5時まで恒例の厚生労働省交渉を行いましたのでつぎのとおり報告します。

平成22年3月8日

厚生労働 臣
長妻 昭 様

全国視覚障害者雇用促進連絡会
会長 田中 章治

厚生労働省への要求

〈障害者権利条約関係〉
要求1. 障害者権利条約の批准にむけて、障害者雇用における合理的配慮について研究会を立ち上げ、「中間まとめ」が出されたようですが、その内容とその後の動向をお知らせください。
回答: 内閣府の障害者制度改革推進本部における検討状況を踏まえつつ、労働政策審議会障害者雇用分科会において検討を進めていく予定です。

〈視覚障害者雇用全般〉
要求2. 先の障害者の雇用の促進等に関する法律の一部改正によって、視覚障害者の雇用が促進されたかどうか示してください。また、この改正を効果的にするため何らかの施策を実施したかどうか教えてください。
回答: 視覚障害者への雇用促進効果は確認していない。
要求3. ハローワークの求人が少なくなったと言う話を聴いていますが、最近問題になっている派遣労働者の解雇に象徴される経済危機が障害者雇用に影響しているかどうか実情を示してください。
回答: 解雇者は減少しており経済危機前の状況に戻りつつある。就職件数も昨年11月から増加に転じている。
要求4. 病院マッサージ師や電話交換手などを解雇された視覚障害者に対する雇用対策を立て、再就職支援の他、ヘルスキーパーや事務的職種など新たな職域を開拓し、再就職のための支援を行ってください。
回答: 解雇の届出があったときは、求人の開拓や職業指導を積極的に行い早期の再就職を支援することにしている。新たな職域拡大については、雇用支援機構で研究している。
要求5. 視覚障害者の職場定着・安定のために、特定の職業安定所に視覚障害者のことをよく理解した専門の担当相談員を配置してください。
回答: 障害者担当職員の研修では、実際に視覚障害者がパソコンを使用し仕事をしていることを実感できるようにするなどの工夫をしていきたい。今後は地域の関係施設などと連携協力してチームによる支援をしていきたい。
要求6. 視覚障害者の雇用について、年次的にその推移をお示しください。
回答: 平成20年度障害者雇用実態調査の数字は平成15年度とほぼ同様。雇用されている視覚障害者は16,000人。 職安の紹介による視覚障害者の就職件数は20年度は1771件(うち重度は1030件)、身体障害者の就職件数は22623(うち重度は8884件)、身体障害者に対する視覚障害者の割合は7.83パーセント、重度は11.59パーセント。
〈特定身体障害者雇用率制度〉
要求7. 国・地方公共団体は、特定身体障害者(視覚障害3級以下)に適用される特定職種(あん摩マッサージ指圧師)特定身体障害者雇用率100分の70を達成するため、法に基づく採用計画を作成し、すみやかに達成するようにしてください。また、同雇用率の達成が努力義務となっている民間企業に対しては、達成のための指導を強化し、必要に応じて雇い入れに関する計画の作成を命じてください。
回答:

指導していく。ハローワークの紹介による就職のうち、視覚障害者の場合は4分の3が専門的技術的職業への就職で、その8割強があはき業への就職である。

〈職場介助者制度〉
要求8. 医療機関及び介護保険施設において、視覚障害者が働きやすいように職場介助者制度(非事務職)について、次の改善をはかってください。
  (ア)医療機関及び介護保険施設においては、職場介助者制度(非事務職)を知らないことが多く、また、視覚障害者が職場介助者の委嘱を希望しても事業主が消極的な事例があるので、本制度について周知徹底をはかってください。
回答:

助成金制度のパンフレットを使って雇用援護制度の説明を行っている。事業主が消極的な事例があれば都道府県の雇用促進協会などに連絡してほしい。保健医療機関では守秘義務から部外者の委嘱に抵抗を示すことは想像できる。

  (イ)職場介助者制度(非事務職)に、配置を加えてください。
回答:

支援機構に伝えている。

  (ウ)職場介助者制度(非事務職)において、同一職場内に介助を受ける視覚障害者が複数いる場合に、一人の職場介助者が介助ができるようにしてください。
回答:

趣旨は理解できるので支援機構に伝えている。そのために介助の中身が薄くならないように注意したい。手続き的な面の矛盾や問題がないか調べてみる必要がある。

  (エ)全雇用期間に対して、職場介助者を適用してください。少なくとも、緊急に現行の適用期間を3〜5年延長してください。
回答:

今後納付金財政が厳しくなってくることが予想されることもあり、機構本部において助成金全体の見直しが行われている。他の助成措置との均衡を考慮する必要がある。このような中で昨年の雇用分科会でも助成金の支給期間の見直しが議論となり、本助成金の全雇用期間への拡大についても話題になった。財源の問題もさることながら、何年が適正かということについては障害の特性なども考慮しつつ他の障害との関係や今後問題になるであろう権利条約でいうところの合理的配慮の問題ともからんでくると思われますが、それらを踏まえた検討が行われている。

  (オ)民間に模範を示す意味からも公務員である視覚障害者への職場介助者制度を創設するよう、人事院に強くはたらきかけてください。
回答:

障害者権利条約の批准にむけて労働雇用分野における障害者権利条約への対応のあり方に関する研究会の中で視覚障害者に対する合理的配慮として人的支援が不可欠であるとの意見が障害者関係団体から述べられている。現在は同研究会の中間的とりまとめを経て障害者雇用分科会でも議論を進めており、さらには平成21年12月8日閣議決定により障害者制度改革推進本部が設置されるとともに、そのもとの障害者制度改革推進会議の場において議論がされることになっていることから、これらの会議の成り行きにも注目しながら検討していくことになると思われる。

〈助成金等申請の簡素化等〉
要求9. 障害者雇用納付金制度に基づく助成金及び障害者雇用継続助成金に基づく助成金の申請手続を簡素化してください。並びに、都道府県協会において、申請手続を熟知するよう指導し、申請に係る手続を丁寧に助言するようにしてください。また、申請から給付までの時間を大幅に短縮してください。
回答:

より一層の簡素化に取り組むよう機構に伝える。都道府県協会・地方協会の職員の接遇については、毎年機構が会議を開催し支持している。申請から給付までの時間短縮についても、さらに取り組むよう機構に伝える。

〈特定求職者雇用開発助成金〉
要求10. 特定求職者雇用開発助成金制度の助成方式が、07年10月雇い入れ分以降、低率制から定額制になりましたが、従前の制度に戻し、助成期間を延長してください。
回答:

事業主にとって分かりやすく助成金が活用されるように定額助成とした。期間延長についても中小企業について行った。

〈障害者雇用関係資料の電子化〉
要求11. 障害者雇用関係の資料については、引き続き、電子化をすすめてください。特に、視覚障害者関係の雇用マニュアルの点字化、研究報告書のデータ化につい てよろしくお願いします。
回答:

機構本部のホームページにはPDFファイルとともにテキストファイルを掲載している。障害者職業総合センターの研究報告書はPDFファイルですがテキストファイルデータの抽出ができる。一部古いものはテキストデータに変換できないが引き続き改善していきたい。研究報告書の裏表紙には点訳・音訳・拡大については著作権者の許可なく自由にできる旨の記述をするとともに、視覚障害者がテキストデータを希望する場合は申し出てほしい旨記述している。雇用関係の資料も引き続き電子化していく。

〈ジョブコーチ〉
要求12. 以前から要望している視覚障害者が働く職場に訪問してのパソコン等のIT機器の操作指導について、06年度の回答の中で、「ジョブコーチが有効」との見解をうかがいました。これを実のあるものにするため、パソコンサポートの技術のある視覚障害者専門のジョブコーチを増やしてください。
回答:

視覚障害者に特化したジョブコーチの養成は行っていない。視覚障害者の就労を支援している団体がジョブコーチを配置してほしい。

〈中途視覚障害者のリハビリテーション〉
要求13. 「障害を有する職員が受けるリハビリテーションについて」(平成19年1月29日、人事院通知)により、国家公務員である中途障害者が職務を遂行するために必要なリハビリテーションについては、病気休暇や研修制度の中で受けることが可能となりました。障害者権利条約の理念に基づき、民間企業においてもこれに準じた取り扱いがされるよう、労働基準法関係の法令で制度化をしてください。
回答:

労働時間等設定改善法による労働時間等見直しガイドラインにおいて「特に配慮が必要な労働者について事業主が講ずべき措置」という項目があり、労使で話し合ってそれにふさわしい労働時間や休暇を設定するよう努めなければならないとされている。なお、病気休暇、リフレッシュ休暇、自己啓発休暇等の労働者の個々の需要に対応しつつ労使交渉のもとで与えられる休暇制度普及・促進をはかるため、平成19年度より特に配慮を必要とする労働者に対する休暇制度普及事業として好事例の収集やセミナーの開催を行っている。

〈機能訓練指導員〉
要求14. 介護保険下における個別機能訓練加算を増額してください。
回答: 介護報酬の額はサービスの提供に要する平均的な費用をもとに算出している。今後の介護報酬の額は諸物価・人件費等の同行をふまえ設定させていただきたい。
要求15. 「福祉施設における視覚障害者の雇用促進のための障害者雇用マニュアル」が改訂されました。その後の介護保険施設における視覚障害者機能訓練指導員に対する雇用促進への厚生労働省と各都道府県の取り組みについてお示しください。
回答: 厚生労働省としては、平成18年7月13日の課長通知をもって地方労働局及び各ハローワークに対して雇用マニュアルの有効活用について指導した。全国の介護老人福祉施設等に対しては、機構から同マニュアルを送付した。全国労働局担当官会議でも周知徹底をはかっている。新しく施設をオープンする予定の社会福祉法人に新規雇用を働きかけたり出向いて求人開拓をするなどしている現場もある。
要求16. 2007年4月より介護老人福祉施設において個別機能訓練加算となり、個別機能訓練計画書が義務づけられました。現在の各施設の個別機能訓練計画書では視覚障害者が使用できず、働き続けることが困難な状況になっています。個別機能訓練計画書を視覚障害者が使えるような書式や音声対応にしてください。
回答: 国としては標準様式は示していない。施設でも実態を踏まえた様式により作成いただくものと考えている。また事務負担軽減の考えから介護支援専門員等が作成する施設サービス計画に織り込む記載を行えばよいという取り扱いに改めた。
〈医療マッサージ〉
要求17. 「医療機関における視覚障害者であるマッサージ師の障害者雇用マニュアル」を作成してください。
回答: 雇用支援機構内に視覚障害者の雇用の促進のための条件整備に関する研究委員会を設置し、平成21年から22年度にかけて視覚障害者の特性や職場における配慮事項等、視覚障害者の雇用管理に役立つ情報を掲載した事例集及び雇用管理マニュアルの作成に取り組んでいる。その中に、事務職、ヘルスキーパー、機能訓練指導員、病院マッサージ師、その他専門的職種についても掲載している。なお、1年目は職域拡大マニュアル、2年目は報告書の作成を予定している。
〈診療報酬関係〉
要求18. 診療報酬における、「消炎鎮痛等処置」(手技による療法)点数を増額してください。
回答: 関係学会からの要望があれば、他の技術料との配分を考えて適切な点数を議論されていくものと考えている。
要求19. 視覚障害者の就労継続のために必要なリハビリテーション(相談・助言・指導等のロービジョンケア)を、診療報酬に算定できるようにしてください。
回答: 視能訓練については認定している。それ以外の訓練は科学的根拠に基づいて検討していきたい。
要求20.

国民に適正な医療を提供するとともに、視覚障害者の雇用促進・生計維持の観点から、柔道整復師が法令を遵守するよう指導を徹底してください。
視覚障害者があはき職種に依存しなければならない状況は未だ変化しておらず、ハローワークの求職状況においては、重度視覚障害者の雇用の3分の2以上が同職種であります。マスコミ等で再三報道される柔道整復師の違法な振る舞いが、視覚障害者の雇用の促進を阻害し、視覚障害者であるあはき師の生計の維持を著しく困難にさせていますので、柔道整復師の業務の範囲及び療養費の請求において、法令が遵守されるよう行政指導を強く求めるものです。

 

(ア)実効ある療養費支給における審査体制の充実を図るとともに、審査の枠から外れている、単なるマッサージに対する施術を捻挫・打撲の施術に振り替えて療養費を請求することについても、実効ある審査体制を確立してください。多部位請求については、とりあえず3局所請求以上を審査の対象としてください。

回答: 柔道整復の療養費は都道府県段階の柔道整復審査委員会で審査している。悪質なケースが見つかると受領委任契約を解除している。今後とも不適正な取り扱いの排除をしていきたい。
要求20.

(イ)広告の制限に違反して、神経痛、腰痛、五十型、肩こり等の病名・症状名を広告することが常態となっているので、これを取り締まってください。

回答: 広告違反があった場合は所管の保健所に連絡してほしい。
 

(ウ)柔道整復施術室とあはき施術室を兼用する法違反が常態化しているので、これを取り締まってください。

回答: 一人が複数の免許を所有している場合施術所を分ける必要はない。複数の施術者がそれぞれの免許で営業している場合、営業時間を分けていない場合施術所は別に必要。
 

(エ)保険医療機関において、柔道整復師を働かせ、柔道整復師の業務範囲をこえて、単なる肩こり、腰痛等の施術を行わせ、「消炎鎮痛等処置」(マッサージ等の手技による療法)点数を算定している事実があるので、これを取り締まってください。

回答: 都道府県で指導している。
(以上)

ロービジョンケアとは?その意義について

下堂薗 保

私ども患者は、まず、眼科医療に対してちゃんと「見える」ようにしてくれる治療を望み、期待感を膨らませて眼科に行きます。

しかしながら、先端眼科学をもってしても治せない眼疾患が、少なくないのが実態です。

ロービジョンケアとは、この不治の眼科疾患を有する患者が保有する視機能を最大限に活用し患者のQOLを高めるために考え出され進められている眼科領域における新しい医療技術です。

この新しい概念を専門的に研究し、実践している日本ロービジョン学会では、ロービジョンケアの、対象者として「全盲者」と、「視覚を用いて日常生活ができない人」(=視覚障害者等)としています。

さらに、対処方として、視覚障害者等が、うつ状態になる前に行なう「心のケア」や、訓練、支援等を行える「医療・教育・福祉・労働」等の包括的なケアであるとしています。

従来の我国における視覚リハビリテーションで眼科が果たす役割は、病名や失明の宣告・告知と盲学校や更生施設に直列的につなげることのみでした。

しかし、このシステムでは、患者である視覚障害者は医療から単に見放されたとしか受け取れない患者も多く、悩み、苦しみ、果てはうつ状態となり、心療内科や精神科の治療を受けるはめに至ってしまうような事実があります。

ロービジョンケアには、視覚障害者等の労働に関して従来の眼科にはなかった注目すべき特色があります。

それは、職場復帰のため、早期に適切なロービジョンケアを行い、障害受容を図り、職業リハビリテーションに積極的につないでいく必要があるとしているところです。

そこでは患者や視覚障害者の苦しみや悩みを感じる心や、診断・治療を受けた後の患者等がどのように生活すればよいか、どのように勉強すればよいのか、どのように仕事をすればよいか等々を助言するロービジョンケアが最も重要だとしています。

このように処方箋のない不治の眼科疾病に悩まされている視覚障害者のQOL向上のため対処している先端医療技術ですが、未だに診療報酬の対象になっていないのが現状です。


身障手帳等級決定の改善について 

全日本視覚障害者協議会
氏野富秀

視覚障害の障害等級決定は、矯正視力による「両眼の視力の和」となっています。「両眼の視力の和」については、かねてより疑問や改善を求める声が多く出されていました。その多くの疑問は、両眼の視力を合算しても、見え方は変わらないという問題です。さらに左右の視力差が大きければ弱い方の眼は見えていないのに等しいことです。

ロービジョン(弱視者)の場合、これを両眼の視力を合算して、障害の程度を判定されることにより、様々な不利益を受けていることも事実です。身障手帳は、障害者が「社会参加」するための支援や制度を活用するための証なのです。そして、障害の程度等級によって受けるサービスに制限が設けられています。

「両眼の和」によって起こっている不利益を例にとってみます。Aさんは、右0.08、左0.01で、障害等級は4級と判定されています。Aさんは病院でマッサージ師をしています。身分はパートで月収15万円程度です。年金があれば、何とか暮らしていける生活ですが、年金を受給できません。障害年金は(1級年金0.04以下、2級年金0.08以下)で、Aさんは、「両眼の和」があるために受給できません。

「医療費助成制度においても同じことが言えます。自治体の医療費助成制度の多くは障害等級1・2級(0.04以下)が対象となっています。「両眼の和」の規程がなければ、受給できるのに、成人病や慢性疾患を抱えながら、高い医療費に苦しんでいるロービジョン(弱視者)が、多くいると思われます。視覚障害者が自立していく上で欠かせないこの二つの制度が、当然受けられるはずなのに、「両眼の和」によって受けられなくなっています。不合理な障害認定によって、排除されることは、早急に改善されなければなりません。

障害程度認定は「優位眼」でというのが多くのロービジョン当事者の願いです。今、全国には140万人以上(07年日本眼科医会報告)のロービジョン視覚障害者がいると言われています。そのうち、障害者手帳の交付を受け、制度・サービスを受けているのは30万人程度です。多くの視覚障害者が制度の外に置かれています。そのためにも、制度の欠陥をただし、誰もが安心して自立できる支援・制度にしなければなりません。いま国に対し、身体障害者関係法の改正を求める署名運動に取り組むことが重要です。


法定雇用率未達成企業名の公表について

編集部

このことについて、厚生労働省報道発表より抜粋します。詳細はhttp://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000004s4k-img/2r98520000004s62.pdfを御覧ください。図以外の部分はテキストファイルを取り出すことができます。

Press Release

平成22年3月26日
職業安定局高齢・障害者雇用対策部
障害者雇用対策課
課長奈尾基弘
主任障害者雇用専門官佐藤珠己
障害者雇用専門官竹中郁子
電話5253-1111(内)5857,5784 3502-6775(直通)


障害者の雇用の促進等に関する法律第47条の規定に基づく企業名の公表について

〜障害者雇用状況の改善がみられない7社について、企業名を公表〜

障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号。以下「法」という。)では、事業主に対し、法定雇用率(1.8%)以上の障害者の雇用を義務づけており、厚生労働大臣は、その履行を図るため、障害者雇入れ計画作成命令の発出(法第46条第1項)及び雇入れ計画の適正実施勧告の発出(法第46条第6項)を行うほか、当該勧告に従わないときは、その旨を公表することができることとされている。(法第47条)

今般、下記1の企業については、平成19年6月に企業名の公表を行ったが、公表時に実施中の雇入れ計画終期の平成21年12月31日現在においても、適正実施勧告にもかかわらず障害者雇用状況の改善がみられなかったため、法第47条の規定に基づき企業名を再公表する。

1 平成19年6月公表企業で企業名を再公表することとした企業:

日本ICS株式会社(大阪府大阪市)

2 平成21年度特別指導対象企業のうち企業名を公表することとした企業:

株式会社インクスエンジニアリング(東京都中央区)
株式会社ビューティトップヤマノ(東京都中央区)
株式会社RAJA(東京都中央区)
日本サード・パーティ株式会社(東京都港区)
株式会社アカクラ(東京都世田谷区)
関越ソフトウェア株式会社(神奈川県川崎市)
(以下略)


改正労働基準法が施行されました

平成22年4月1日から、労働基準法の一部を改正する法律(平成20年法律第89号)が施行されました。


改正のポイントは、次の(1)〜(4)です。


(1)「時間外労働の限度に関する基準」の改正(限度時間を超える時間外労働の労使による削減)


「時間外労働の限度に関する基準」が改正され、労使当事者は限度時間を超える時間外労働に対する割増賃金率を引き上げるよう努めること等とされます。
 具体的には、月45時間まではこれまでどおり25パーセント増、45〜60時間は労使で時間短縮・割増賃金率を引上げ(努力義務)となります。

(2)法定割増賃金率の引上げ


月60時間を超える法定時間外労働に対して、使用者は50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。
ただし、中小企業は猶予される。

(3)代替休暇制度の創設


引上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇を付与する制度(代替休暇)を設けることができます

(4)時間単位年休の創設


労使協定により年次有給休暇を時間単位で付与することができるようになります。

[編集部コメント]

公務員職場ではこれまでも時間単位年休が認められている場合もありますが、今回の法改正によって変更される場合があるので御注意ください。また、時間外勤務手当の額や月60時間を超える時間外勤務については振り替え制度がつくられましたので、確認してください。


*この情報は厚生労働省ホームページ内のhttp://www.mhlw.go.jp/topics/2008/12/tp1216-1.htmlをもとに編集したものです。詳しくは、厚生労働省労働基準局監督課または都道府県労働局・労働基準監督署にお問い合わせください。


「視覚障害者の職場定着推進マニュアル」が改訂されました

このたび、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構では、平成11年に作成した障害者職域拡大マニュアル12「視覚障害者の職場定着推進マニュアル」が改訂されました。雇用事例、支援機器、支援制度、支援機関等に係る最新の情報を踏まえた内容です。


 全文は高齢・障害者雇用支援機構のサイト内のhttp://www.jeed.or.jp/data/disability/occupation/download/No12-1.pdfで閲覧できます。


 また、送付を希望される方は、下記までお問い合わせください。


独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構雇用開発推進部 職域開発課
TEL 03-5400-1625 FAX 03-5400-1608

 

<資料1>視覚障害者の職業紹介状況

(平成21年度累計)

1.概況

  新規求職申込件数 有効求職者数 就職件数 就職率
  うち重度   うち重度   うち重度   うち重度
2747 1628 7199 4044 1824 1122 66.4 68.9

2.職業別就職件数

職業 視覚障害者
  構成比 重度 構成比
合計 1824 100 1122 100
専門的・技術的職業 1129 61.9 880 78.4
    あんま・鍼・灸・マッサージ 977 53.6 776 69.2
  (うち就職先が医療機関) (170) (9.3) (130) (11.6)
  (うち就職先が施術院) (660) (36.2) (523) (46.6)
  ヘルスキーパー 47 2.6 40 3.6
  機能訓練指導員 35 1.9 26 2.3
  理学療法士 16 0.9 9 0.8
  ケアマネージャー 11 0.6 4 0.4
  情報処理技術者 15 0.8 11 1.0
管理的職業 8 0.4 3 0.3
事務的職業 230 12.6 101 9.0
販売の職業 58 3.2 22 2.0
サービスの職業 95 5.2 26 2.3
保安の職業 23 1.3 5 0.4
農林漁業の職業 9 0.5 4 0.4
運輸・通信の職業 13 0.7 4 0.4
  電話交換手 10 0.5 4 0.4
生産工程・労務の職業 236 12.9 70 6.2
分類不能の職業 23 1.3 7 0.6


<資料2>ヘルスキーパー雇用企業一覧(表1)

出展 「関東甲信越地区盲学校・養成施設進路指導協議会平成20年卒業生実態調査」

本調査は、関東・甲信越地区の盲学校・養成施設を対象に実施したものであり、平成20年12月現在、それぞれの盲学校・養成施設の卒業生がヘルスキーパーとして勤務している企業の一覧(産業分類別)です。

建設 富士ハウス(株) 運輸 佐川急便(株)
パナホーム(株) 小田急電鉄(株)
松井建設(株) 相模鉄道(株)
NECネッツエスアイ(株) (株)商船三井
三機工業(株) 川崎汽船(株)
製造 本田技研工業(株)研究所 日本郵船(株)
(株)フジクラ ANA・ウィング・フェローズ(株)(特例子)
セイコーインスツルメンツ(株) (株)JALサンライト(特例子)
日本メドトロニック(株) 卸売・小売 日産プリンス東京販売(株)
三菱電機(株) 野原産業(株)
松下電器工業(株) 菱電商事(株)
新日本製鐵(株) (株)伊勢丹
富士電機(株) (株)東武百貨店
東京エレクトロン(株) 丸紅(株)
エプソンミズベ(株)(特例子) 兼松(株)
エプソン(株) 三井物産(株)
東芝ウィズ(株)(特例子) 三谷産業(株)
大同特殊鋼(株) 住友商事(株)
(株)オンワード樫山 長瀬産業(株)
(株)クラレ ナイス(株)
(株)ワコール (株)サンリオ
三菱レーヨン(株) 金融・保険 アメリカンファミリー生命保険会社
市田(株) ソニー生命保険(株)
(株)クラレつくば研究所 プレジデンシャル・ジェネラル・サービスジャパン(有)(特例子)
(株)キューピーあい(特例子) 東京海上日動火災保険(株)
NECインフロンティア(株) 日本興亜損害保険(株)
パイオニア(株) 三菱UFJニコス(株)
モトローラ(株) (株)オリックス業務支援(特例子)
日本ビクター(株) モルガンスタンレー証券(株)
セントラル自動車(株) シティーグループ
関東自動車(株) (株)みずほ銀行
三菱重工業(株) (株)横浜銀行
ジョンソンエンドジョンソン(株) (株)東京三菱UFJ銀行
(株)資生堂 日本銀行
サントリー(株) 不動産 森ビル(株)
(株)セガ (株)アトリウム
住友重機工業(株) (株)コスモスイニシア
サノフィ・アベンティス(株) 三井不動産レジデンシャル(株)
コクヨ(株) 有楽土地(株)
電気・ガス・熱供給・水道 東京電力(株) 財団法人住宅管理協会
情報通信業 (株)ジュピターテレコム 医療・福祉 東京大学医学部付属病院
(株)フジテレビジョン 飲食・宿泊 (株)帝国ホテル
(株)九段パルス(特例子) 教育・学習支援 (株)ベネッセビジネスメイト(特例子)
(株)産経新聞社 駒場東大付属保健センター
(株)朝日新聞社 成蹊学院
(株)読売新聞社 東洋英和女学院
(株)日本経済新聞社 サービス (株)ツタヤ
(株)毎日新聞社 IBMビジネスコンサルティングサービス(株)
KDDIチャレンジド(特例子) アクセンチュア(株)
ソフトバンクBB(株) あずさ監査法人
ソフトバンクテレコム(株) ベリングポイント
ソフトバンクモバイル(株) (株)リクルートオフィスサポート(特例子)
ヤフー(株) (株)東電設計
(株)NTTデータ (株)富士通総研
(株)テレウェイヴ 西村あさひ法律事務所
(株)テレパーク 八千代エンジニアリング
SAPジャパン(株) (株)エイチ・アイ・エス
マイクロソフト(株) サンクステンプ(株)(特例子)
伊藤忠テクノソリューションズ(株) ジョブサポートパワー(特例子)
(株)TKC フジサンケイ人材センター(株)
(株)アイ・ティ・フロンティア (株)パソナハートフル(特例子)
(株)セゾン情報システムズ インフォコム(株)
(株)テプコシステムズ ティー・ティー・ビジネスサービス(株)
(株)電通国際情報サービス (株)電通ヒューマンリソース
(株)富士通アドバンストソリューションズ (株)豊通オフィスサービス
(株)富士通システムソリューションズ エンジャパン(株)
(株)富士通北陸システムズ (株)電通
住商情報システム(株) (株)博報堂DYアイ・オー(特例子)
日本IBM(株) (株)エスアールエル
日本システムウェア(株) イーピーエス(株)
富士通コミュニケーションサービス(株) (株)舞浜ビジネスサービス(特例子)
コロムビアミュージックエンタテインメント(株) 地方公共団体 神奈川県
NHN Japan(株)    
ネットワンシステムズ(株)    
(株)サーバーエージェント    

※表中の(特例子)は特例子会社を指し、産業分類は親会社の産業分類を用いた。


<資料3>平成22年度診療報酬改定(関連部分)

(その1)鍼灸マッサージ療養費の算定基準の見直し

1. 改定率

平成22年の診療報酬改定における医科外来の改定率が0. 31% であったことを踏まえ、+0. 15% とする。

2. 算定基準の見直し

(1)はり、きゅう
@1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の施術料金

〈初 回〉2, 330円 初検料 1, 405円( + 270円 )
    施術料 1, 195円(   _   )
〈電気針等使用時〉    
〈初 回〉2, 360円 初検料 1, 405円( + 270円 )
    施術料 1, 195円(   _   )
    電療料   30円(   _   )
〈その他〉1, 225円 施術料 1, 195円(   _   )
    電療料   30円(   _   )

A2術(はり、きゅう併用)の施術料金

〈初 回〉2, 680円 初検料 1, 455円( + 270円 )
    施術料 1, 495円(   _   )
〈電気針等使用時〉    
〈初 回〉2, 710円 初検料 1, 455円( + 270円 )
    施術料 1, 495円(   _   )
    電療料   30円(   _   )
〈その他〉1, 525円 施術料 1, 495円(   _   )
    電療料   30円(   _   )

(2)あん摩・マッサージ・指圧

〈施術料〉    
1局所につき  255円 260円( + 5円 )
変形徒手矯正術 530円 535円( + 5円 )

3. 実施時期

平成22年6月1日

【照会先】
厚生労働省保険局医療課 清原範久、津田清
Tel. 03- 5253- 1111 (内線3275)


(その2)柔道整復療養費の算定基準の見直し

1. 改定率

平成22年の診療報酬改定における医科外来の改定率が0. 31% であったこと、及び行政刷新会議における多部位請求適正化の指摘等を踏まえ、±0% とする。

2. 算定基準の見直し

(1)多部位請求の適正化

@4部位目の給付率の見直し
  33%→0%
A3部位目の給付率の見直し
  80%→70%

(2)技術料の見直し

後療料(打撲・捻挫)
  470円→500円(+30円)

(3)その他の適正化事項

〈算定基準関係〉
@ 3 部位目以上の請求は部位毎に負傷の要因を記載する。
A領収書の無料発行を義務づける。
B明細書については希望する者に発行するように義務づける(実費徴収可)。
C骨折・脱臼の医師の同意に関する記載は施術録と同様に、申請書の適用欄にも記載することとする。
D支給申請書に施術日の記載を義務づける。
〈その他〉
E不正等があった場合に施術管理者だけでなく、施術所の開設者の責任についても問えるよう受領委任の取扱い関係の通知の改正を行う。

3. 実施時期

平成22年6月1日
 (3)@.C及びEについては平成22年9月1日
 (3)Dについては平成23年1月1日

【照会先】
厚生労働省保険局医療課 清原範久、津田清 
Tel. 03- 5253- 1111 (内線3275)



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