雇用連会報 第11号

発行日 2006年4月1日
発行 全国視覚障害者雇用促進連絡会
編集責任者 田中 章治
連絡先 田中 章治(会長)
〒334−0071埼玉県川口市安行慈林645-6
電話 FAX 048-285-9935
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郵便振替 00150-4-67809

─ 目次 ─

会報第11号発刊にあたって

全国視覚障害者雇用促進連絡会(雇用連)
会長  田中 章治

会員のみなさんお元気ですか。

ひさしぶりですが、「会報第11号」をお届けします。ご支援により、雇用連は昨年秋、画期的な成果を勝ち取りました。即ち、重度障害者のための職場介助者制度の摘要期間10年から更に5年間延長されました。今号では、あらためてその関連資料を掲載します。また、昨年改正された障害者の雇用の促進等に関する法律の、「在宅就業障害者に対する支援」の関連資料も掲載します。後者については、私たちの就労促進に活用できる制度かどうか、今後研究していきたいと考えております。

短信

会長  田中 章治
1. 雇用連の第14回総会が11月6日、東京都障害者福祉会館に於いて開催されました。具体的運動の柱としては、
(1)重度視覚障害者(点字使用者)の雇用促進。
(2)特定身体障害者雇用率制度の遵守と同制度の普及(具体的には按摩・マッサージ・指圧師が想定される)。
(3)介護施設へのマッサージ師の雇用促進と雇用の維持の3点を確認しました。更に役員体制についてはほぼ留任となりましたが、小日向光夫氏が退任され、新たに下堂薗保氏が選任されました。
2. 総会終了後の同日午後、雇用連主催の講演会を開催しました。参加者は約40名、タイムリーな企画で内容は以下のとおりです。
講演1・・・「指定管理者制度と障害者雇用(仮題)」 講師 森田稔氏(東京自治労連副委員長)。
講演2・・・「障害者の雇用促進等に関する法律の概要と問題点(仮題)」 講師 清水建夫弁護士(働く障害者の弁護団代表)。
3. 会報第10号で既報のとおり、雑草の会の内田邦子さんの訴えをきっかけに取り組んだ職場介助者制度の適用期間の延長を求める運動が実を結びました。この喜びを仲間と共有し、視覚障害者の新たな雇用拡大のきっかけとなることを願って、11月6日の夕方、「運動実った! 職場介助者制度の適用期間延長祝賀会」を開催しました。当日は、内田さんが創作した職場介助者制度の充実を求める運動をコミカルになぞった寸劇も披露され笑いと拍手につつまれました。会場となった都立障害者福祉会館には30数名が集まり、内田さんへのお祝いと視覚障害者の雇用運動にかける思いを各々語っておられました。
4. 雇用連は、毎年実施している厚労省交渉を都合により、今年度は少し遅れて2月13日にもちました。詳しい報告は、6月頃刊行予定の『雇用連情報』を参照してください。これとは別に雇用連では、人事院職員福祉局とこの間2回の交渉を行いました。(12月12日、2月13日)。詳細な報告は同じく近く刊行される『雇用連情報』に譲りますが参考までに私たちの要望項目を掲げておきます。
「国家公務員である職員が、在職中、疾病のため視覚障害を有するようになった場合、日常生活能力の向上、及び、労働能力の向上のための、視覚障害リハビリテーションを、病気休暇により、容易に受けられるようにしてください。なお、万一出来ない場合は、その根拠をお示しください。」

第14回全国視覚障害者雇用促進連絡会定期総会議案

○日時 2005年11月6日(日曜)11時〜12時
○会場 東京都障害者福祉会館

式次第

1.議長選出
2.会長挨拶
3.二年間の活動のまとめと承認
4.決算報告、会計監査報告と承認
5.今期活動方針案提案、討議及び採択
6.予算案提案、討議並びに採択
7.新役員選出
8.閉会挨拶

2年間の活動のまとめ

1. 会員の状況
2. 第13回定期総会の開催 2003年12月7日 東京都港区立勤労福祉会館
3. 講演会の開催
(1) 「視覚障害者の雇用・就業対策の現状について」……厚生労働省 五十嵐専門官 2003年12月7日
(2) 「視覚障害者の雇用に関する助成制度の現状」……独立行政法人高齢・障害者 雇用支援機構 村上助成課長 2004年10月31日
4. シンポジウムの開催
(1) 「視覚障害者の就労を進めるために」……シンポジストは、長岡氏、荒川氏、木村氏 2003年12月7日
(2) 「ヒューマンアシスタント制度の拡充を目指して」……シンポジストは、内田氏、上薗氏、荒川氏、新井氏 2004年10月31日
5. 職場介助者制度の適用期間延長を求める取り組み
  • 2004年12月 雇用連、東視協、雑草の会で「充実を求める会」結成
  • 啓発用リーフレットの作成と配布
  • 国会請願署名活動に取り組む。街頭での署名行動を含め、短期間で6451筆を集め、国会に提出
  • 国会の厚生労働委員会で取り上げてもらう取り組み。結果的には衆院で2回、参院で1回取り上げられ、他に日盲連の笹川会長が衆院の参考人質疑でこの問題に言及
  • 請願の紹介議員数は、衆院の厚労委員37名、参院の厚労委員17名から得られる。
  • マスコミ対策 毎日新聞、新聞赤旗、点字毎日、NHKラジオ他
  • 厚生労働省交渉5回(秋は雇用連として、春は手を繋ごう集会として、他にこの問題のみで1回)
  • 請願自体は衆議院の解散により、審議未了となったが、05年9月15日、労働政策審議会障害者雇用分科会において「適用期間5年間延長」の方針が厚生労働省側から示される(10月1日施行)。
6. 厚生労働省交渉 3回(内、1回は職場介助者問題で)
7. 手を繋ごうすべての視覚障害者全国集会への参加 年2回
8. その他の活動
(1) 誠心ウルスラ学院の窪田先生に対する不当労働行為に関する抗議文を送付
(2) 東京都視覚障害者生活支援センターの全盲職員の採用問題で日盲社協理事長宛て要望書を提出(東視協と連名で)
(3) 千葉県市川市の職員採用試験における点字と拡大文字による試験実施の要請書提出(千葉県視生会と連名で)
(4) 都立中央図書館における視覚障害者職員採用に関する要請行動(なごや会等3団体と連名で)05年6月
(5) NHKラジオ「視覚障害者の皆さんへ」に出演
(6) その他、電話、メールによる各種相談への対応
9. 『雇用連情報』第50号、第51号の発行(墨字版、点字版)
10. 『会報』の発行(第6号〜第9号)
11. 雇用連メーリングリスト、ホームページの開設、管理、運営
12.
幹事会の開催 年6回

10月1日から実施されている職場介助者制度の概要

障害者雇用分科会の資料を基に、運動が実って実施される職場介助者制度を、延長分と10年間とを比較しながら、以下に紹介します。

* 表は、番号 項目 補助率 補助額の順。()内は、はじめの10年間。

事務的業務に従事する視覚障害者、四肢機能障害者の介助者
(1) 配置の場合 ・・・ 3分の2(4分の3) 月額13万円(月額15万円)
(2) 委嘱の場合 ・・・ 3分の2(4分の3) 委嘱1回につき9千円、ただし年間135万円限度(委嘱1回につき1万円、年間150万円限度)

在宅就業障害者に対する支援

在宅就業障害者(自宅等において就業する障害者)に仕事を発注する企業に対して、障害者雇用納付金制度において、特例調整金・特例報奨金を支給します。

企業が在宅就業支援団体(在宅就業障害者に対する支援を行う団体として厚生労働大臣に申請し、登録を受けた法人)を介して在宅就業障害者に仕事を発注する場合にも、特例調整金・特例報奨金を支給します。

※ 特例調整金等の支給事務は、障害者雇用納付金、障害者雇用調整金等と同様、高齢・障害者雇用支援機構において取り扱います。

登録要件

在宅就業障害者に対して、就業機会の確保・提供のほか、職業講習、就職支援等の援助を行っている法人であること。
常時10人以上の在宅就業障害者に対して継続的に支援を行うこと。
障害者の在宅就業に関して知識及び経験を有する3人以上の者を置くこと(うち1人は専任の管理者とすること)。
在宅就業支援を行うために必要な施設及び設備を有すること。
※ 初回の登録には登録免許税の納付が必要です。