発行日 | 2003年9月10日 |
発行 | 全国視覚障害者雇用促進連絡会 |
編集責任者 | 編集責任者 田中 章治 |
連絡先 | 田中 章治(会長) 〒334-0071 埼玉県川口市安行慈林 645-4 電話 FAX 048-285-9935 Eメール koyourenアットマークnpo-jp.net (加入者名 全国視覚障害者雇用促進連絡会) |
2003年度前期の「手をつなごう全ての視覚障害者全国集会」統一中央要請行動は、去る7月7日(月)に開催されました。雇用連は、他の団体メンバーと共に厚労省(労働関係)と交渉を行いました。以下、簡単に当日の模様を報告します。
当局側の出席者は、職業安定局障害者雇用対策課、労基局監督課、職業能力開発局特別訓練対策室、労健局老人保健課、大臣官房人事課等の担当者でした。
1. | 視覚障害者、取り分け、重度視覚障害者の雇用対策の促進。 |
回答 | 職業リハと重度障害者職場介助者等の助成金をやってきた。職域開発の研究(例えば、ピーシーワイドやウインドウズ読み上げソフト)、視覚障害者雇用管理マニュアル(ヘルスキーパー、事務的職業とコンピュータプログラマー、今年は、機能訓練指導員)を作成した。 |
2. | 障害を理由に解雇が行われないように行政指導の強化を。 |
回答 | 障害者雇用継続助成金制度がある。昨年度からジョブコーチ(中度障害にも派遣)の他、解雇したときは、解雇理由を記入した障害者解雇届を出させている。 |
3. | 在職中でリハビリや研修を受けている者の所得保障を。 |
4. | 神奈川県のように盲学校職業課程在学者に貸付金制度を設けているので国制度を作ってほしい。 |
回答 | 公共職業訓練を受けるときは雇用保険、それが受給できない時は、訓練手当、訓練手当も受けられない時は技能者育成資金(貸し付け)がある。何れも公共職業能力開発施設が対象で盲学校への適用は困難である。 |
5. | 障害者解雇(差別)禁止法の制定を。 |
回答 | 差別禁止法体系では、紛争解決に負担があるし、差別の検証が困難である。重度障害者については、雇用促進が困難になる恐れがある。 |
6. | ヘルスキーパーの雇用を貴省が率先して実施すること。 |
回答 | 国家公務員の定員削減があり、新たな職員採用は困難。 |
7. | 視覚障害あはき師の労働実態を把握し、使用者に対し解雇をしないような行政指導の強化を。 |
回答 | 6月の雇用状況ほうこくの結果を見て実施する。 |
8. | 特定身体障害者雇用率(70/100)が適応される特定職種(あま師)の採用状況は? |
回答 | 特定職種は民間で1291人。対象事業数は174。60.58%である。 |
9. | 職場介助者制度の実施状況と非事務的職種についての周知徹底を。 |
回答 | 重度障害者介助等の実績は平成13年度で5923。内訳は、業務遂行援助者5496、事務職に対する介助(配置)171、事務職介助の委嘱99、非事務職委嘱20、その他である。周知方法は窓口レベルでのセミナー(場合によっては職安でも)の実施、パンフレットの配布等で周知している。 |
10. | 非事務職に対する職場介助者の委嘱について、年間24万円以内、回数制限なしに改めてください。 |
回答 | 指摘をふまえて見直しをはかりたい。 |
11. | 職場介助者制度の適用期間を延長してください。 |
回答 | 助成を受けている間にノウハウを蓄積し、体制を整備してほしい。事業主側の努力を求める。 |
12. | 公務員等全ての視覚障害労働者に職場介助者制度を。 |
回答 | 自治体は助成金でリードする施策になじまない。国や自治体の努力をお願いしたい。 |
13. | 無資格あま師を求人することの内容に指導の徹底を。 |
回答 | (他の交渉班に回答した。) |
14. | 報奨金制度について、中小保健医療機関に適用されるよう至急用件の特例を設けること。 |
回答 | 保健医療機関のみの条件緩和は、制度の主旨からいって困難。 |
15. | 主要な職安に視覚障害者担当の専門官を配置してほしい。 |
回答 | 精神、知的、身体の各相談員を配置している。身体障害者担当は全国で140名いる。視覚のみの相談員は困難。 |
16. | 機能訓練指導員の就労を守るため、介護保険制度に於ける機能訓練加算をなくさないようにしてほしい。また、今年度完成した「雇用マニュアル」を元に事業主に対する啓発指導をしてほしい。 |
回答 | 機能訓練加算は今年もやっている。機能訓練指導員の雇用マニュアルを作成した。事業主への指導には近く文書で都道府県の労働局を通じて啓発をする。また、現場の窓口の人に理解してもらい、達成指導などいろいろな機会を通じて、事業主に働き掛けてもらうようにしたい。 |
いつも本会に対し、ご支援ご協力をいただきましてありがとうございます。
ところで、今年も会費を納めていただく時期がやって参りました。今回、振替用紙を同封いたしましたので、お納めくださいますようお願い申し上げます。(既に今年度分をいただいている方につきましては、同封いたしておりません。)
因みに本会の会計年度は、7月から翌年6月までとなっています。尚、会費は一口1千円、定職についておられる方は二口以上お願いいたします。
それではどうぞよろしくお願いいたします。
去る5月23日(金)午後1時〜5時まで、表記のセミナーが東京都障害者福祉会館に於いて開催されました。主催は、民間で障害者の職業紹介業務をしているジョイコンサルティングと(株)アメディア(望月融社長)でした。このセミナーのねらいは求職中の視覚障害者とセミナー参加企業が直接に面接する機会を提供することにあります。これは、ユニークな取り組みなので、雇用連など幾つかの団体が「協力団体」になっていました。参加者は100名を越えるほどの盛況でした。
セミナーのメインは、6名の求職者が6分間の持ち時間で、参加者の前で自己ピーアール(プレゼンテーション)をすることです。プレゼンテーションのあと、雇用主は別室で個別面接ができるようになっているそうです。
当日は14社の参加企業があり、個別面接も行われたようです。6名の方のプレゼンテーションは内容的にも素晴らしくチャレンジ精神が伺われました。
ユニークな取り組みでしたが、参加企業の感想は、一般参加者にはわかりませんでした。その後、具体的な成果に結びついた事例があったかどうか、主催者側は今回のセミナー開催をどう評価しているのか、折を見て率直にお伺いしたいと思っています。
第25回全視協青年学生交流ヒイワキャンプが、8月1日〜3日東京で開催されました。参加者は約100名、今年の特徴はボランティア(晴眼者)の参加が視覚障害者よりも多かったのが特徴の一つでした。3日午前には、「みんなで語ろう 話そう 視覚障害者の就労について」と題してシンポジウムが開催され、筆者はコーディネーターを務めました。会場は新宿区立障害者福祉センターでした。
パネリストは以下の4人の方々でした。山田さん(千葉・中途視覚障害者)。勤務先は東京都ビジネスサービス(第3セクター)、仕事は代表電話への対応。柳田さん(東京・全盲)。勤務先は(株)日本アルコンシステム部、仕事はコンピュータヘルプデスクを担当。内田さん(東京・全盲)。勤務先は(株)トーメン、仕事はヘルスキーパー。上原さん(東京・弱視)。勤務先は(有)環境クラブ、仕事は事務。
各パネリストは、就職するまでの経緯、仕事の内容、今後の課題などについて報告がありました。なかなか就職先が見つからず苦労された方、中途失明のため、解雇寸前まで追い込まれた方などおられましたが、みなさん若者らしく明るくがんばっている様子が印象的でした。
その後、フロアーからの具体的な質問に答える形で進行し、参加者から「話がいっぱい聞けてよかった」との感想が多く出されていました。