雇用連会報 第4号

 

発 行 日 2002年9月10日

発   行 全国視覚障害者雇用促進連絡会

編集責任者   田中 章治

連 絡 先 田中 章治(会長)

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              (加入者名 全国視覚障害者雇用促進連絡会)

 

「会報第4号」 発刊にあたって

みなさんお元気ですか。 雇用連の会報第4号」をお届けします。

 今号は、「会費納入のお願い」や「シンポジウムのご案内」が載っておりますので最後までお読み下さい。 今回は、小日向光夫さんから原稿をいただきました。 みなさんの気軽な投稿をお待ちいたしております。  

 

  手をつなごう全ての視覚障害者全国集会厚生労働省交渉報告

2002年度前期の手をつなごう全ての視覚障害者全国集会統一中央要請行動は、6月10日(月)に開催されました。 この集会には雇用連も参加していますが、当日、参加者はいくつかの班に分かれ、中央省庁に交渉を行いました。 ここでは、厚生労働省交渉のうち、視覚障害者の雇用促進関係の部分について報告を行います。

 当日の当局側の出席者は、工藤専門官の他数名、視覚障害者は12、3名の参加がありました。 以下、要望項目に沿って、当局側の回答を記します。 なお、「回答」の記載が特にないものは否定的な回答なので記述を省略します。

1. 視覚障害者、特に重度視覚障害者の雇用対策を進めること。

回答 昨年度 「ジョブコーチ」 即ち、介助付き雇用制度を試行的に実施した(期間1

    年) 職場開拓、職域拡大に活かせるだろう。 また、職場復帰にも使えると

    思う。

2. 障害を理由に解雇が行われないよう行政指導を強めること。

3. 在職中でリハビリや研修を受けている者の所得保障を行うこと。

4. 神奈川県が盲学校職業課程在学者に支給している職業手当制度を国制度にす

   ること。

 回答 訓練手当ではなく、(財)神奈川県雇用開発協会の貸し付けの形を取ってい

    る。 今後、勉強したい。

5. 障害者解雇(差別)禁止法(仮称)を制定すること。

6. ヘルスキーパーの雇用促進について。 厚労相が率先して採用すること。

 回答 現在推測で250人以上いる。 官公庁は少ないが、神奈川県には3名いる。

    厚労相への採用については人員削減の折り難しい。

7. 劣悪な労働条件で働いている視覚障害、按鍼灸師の労働実態を把握し、使用者

に対する必要な行政指導を行うこと。

8. 特定身体障害者雇用率(70/100)が適応される特定職種(按摩マッサージ指圧

師)の採用状況を教えてください。

回答 平成13年現在、5人以上の職場で56.%1,322人である。

9. 職場介助者制度の実施状況と非事務的職種についての周知徹底をはかること。

回答 写真入りで「助成金の概要」というパンフレットを作成しPRに努めている。

    職場介助者の実施状況であるが、配置171件、委嘱119件、コンサルタント

    371件である。

10 非事務職に対する職場介助者の回数を増やし、「年間24万円以内、回数制限無   し」に改めること。

11 職場介助者制度を全雇用機関に適用できるようにすること。

12 公務員等全ての視覚障害労働者に対応する職場介助者制度を創設すること。

13 無資格者を按摩マッサージ指圧師として求人することの無いよう、更に指導を徹

   底すること。

 回答 担当係長他会議の席上、全国の担当者に再度口頭で指導を行った。

14 報奨金制度について、中小保健医療機関にも適用されるよう、至急要件の特例

   を設けること。

15 主要な公共職業安定所に視覚障害者担当専門官を配置すること。

16 介護保険制度における介護福祉施設等の施設サービスの介護報酬が引き下げ

   られようとしている。機能訓練指導員の就労を守るため、機能訓練加算が無くな

   らないようにすること。

 

マッサージ師の雇用と身分を守る運動を      小日向 光夫

 病院マッサージ問題連絡会(病マ連)は5年前に結成され、昨年雇用連に団体加盟しました。 この間、マッサージの診療報酬点数の引き上げを求め、第4次にわたる国会請願署名行動に取り組んできたほか、各地での実技講座の開催や病院勤務者からの相談活動など、多面的に取り組んでいます。

 厚生省の統計によると現在、全国の医療機関で働くマッサージ指数は10,751人、内訳は病院勤務が5,365人、診療所勤務が5,386人となっており、この数字で明らかなように視覚障害者の大きな雇用の場となっているといえます。 しかし、全国の盲学校の進路調査でも90年度の病院への就職は全体の28.%であったものの年々減少傾向を辿っているのが現状です。 それは何故でしょうか?  

 あまりにも低すぎるマッサージ点数

 病院マッサージ師の身分を不安定化した要素としてあげると、1981年に行われた診療報酬の改定です。 それまでは、低いながらもマッサ−ジ点数は1局所13点(130円)、全身を体感と手足の5局所に分け全身で65点(650円)まで算定できた他、温熱、牽引なども個別に算定することが出来たにもかかわらず、81年の改訂では「消炎鎮痛を目的とした理学療法」 マッサージと温熱治療が包括まるめられ、いくら行っても35点(350円)しか算定できなくなったのです。 その後、全視協などの運動により、83年の改訂で、マッサージと温熱治療の併用で5点アップの40点になったもののマッサージ師の雇用と身分は著しく不安定化し、公立病院、民間の大病院への雇用は皆無に等しい状況になっています。

 今年4月の診療報酬の改定は、政府の掲げる構造改革の方針に基づき、戦後初のマイナス改定となりました。 マッサージ師の関連点数のみを取ってみても、これまで42点(420円)であった牽引治療は廃止され消炎鎮痛処置、35点(350円)の中の機械器具による治療に包括されたこと、と同時に、消炎鎮痛処置の中のシップ処置と共に1ヶ月の来院数が5回目以降半額の17点(170円)という低減制が導入されたことです。 しかし、マッサージについては私たちの運動により低減制は免れました。

 東京都中野区の川島診療所に勤務する山道正一さんの場合、度重なる医療改悪と相俟って、4月以降物療だけでも3割から4割の収入減になっているそうです。 また、埼玉県川越市の赤心堂病院の物療に勤務する福島みさ子さんも1日に外来病棟合わせて70人の患者の治療を行っているものの、改訂後は3割の収入減になっており、各職場とも採算面で厳しさが増しています。

 私たちは病院で働くマッサージ師が誇りを持って良い治療を提供するには診療報酬の引き上げしかありません。 病マ連では2年後の改定に向け、第5次の国会請願署名をこの秋から始める予定で今準備をしています。

 

会費納入のお願い

会員の皆様、こんにちは。 今年度の会費を納めていただく時期が巡って参りました(本会の会計年度は7月から翌年の6月までです)。 郵便振替用紙を同封いたしましたので、お支払い下さいますようお願いいたします。 年会費は一口1000円(定職に就いておられる方はなるべく二口以上お願いします)、団体会費は一口2000円となっています。なお、今年度分を既にいただいている方につきましては、振替用紙は入っておりません。

 雇用連は、今後も皆様のご支援ご協力をいただきながら、視覚障害者の雇用・ 就労促進のためがんばって参ります。