雇用連会報 第2号
発 行 日
2001年11月25日発 行
全国視覚障害者雇用促進連絡会発行責任者
竹下 義樹編集責任者
田中 章治連 絡 先
田中 章治(事務局長)住 所 〒334−0071 埼玉県川口市安行慈林 645−4
電話・FAX 048−285−9935
電子メール koyourenアットマークnpo−jp.net
郵便振替 00150−4−67809 (加入者名 田中章治)
「会報第2号」 発刊にあたって 事務局長 田中章治
みなさんこんにちは。久し振りに「会報第2号を」お届けいたします。今号は、個人会員中心の組織となった雇用連の最近の活動について報告させていただきます。事務局では皆様からの雇用・就労に関するご意見をお待ちいたしております(E-メールでもかまいません)。また、この「会報」にも気軽に投稿していただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
雇用連の相談活動について 事務局長 田中章治
最近雇用連事務局に様々な相談が電話で寄せられています。このことは、会に対する期待の現れと受け止め、積極的に対応しています。なかには、「会のことをホームページで見た」とか、「インターネットで本会にたどりついた」と言う人も何人かいます。以下に、その一端をご紹介いたします。
1 九州地方のある県に住む50代後半の男性から ― 「あと僅かで現在の会社を定年退 職します。仕事は事務職で職場介助者制度を活用しています。再就職の見通しは付いて いるがその際、職場介助者制度は利用できますか?」。
* 「新規雇用という扱いで手続きさえすれば職場介助者は受けられる」と回答。
2 都内にある人材派遣会社から ― 「関東のある県の教育委員会から依頼があったが、 県内の公立高校で教師や生徒に対し、点字や視覚障害者の状況について話せる人を短 期雇用したい。ついては、適当な方を紹介していただけませんか」。
* 全盲でも構わないことを確認し、兼ねてから就職相談にのっていた若者A君を紹介、雇 用に結びついた。
3 東海地区に住むケアマネージャーの資格を有する視覚障害者から ― 「市主催のケ アマネージャー対象の研修会に受講を申し込んだところ、『現実問題として、全盲者には ケアマネージャーの仕事は困難だから、受講は遠慮してほしい』と言われました。全国に 事例があったら教えてください」。
* 全国の事例を紹介すると共に、厚生労働省から「視覚障害者のケアマネージャーの啓発 パンフレット」が出ているので取り寄せ、市側と交渉してはどうかとアドバイスした。
4 東京都内の特別養護老人ホームでマッサージの仕事をしている中年女性から ― 「就 職して間もないが、感覚代行機器の申請中である。その際、職場に来てもらい、機器の指 導も受けたいのですが、制度上可能でしょうか?」
*
日本障害者雇用促進協会にその旨を要望するようにアドバイスし、その機関の連絡先を 伝えた。この他に、「公共図書館に就職するにはどうしたらよいか?」「点字出版か校正の仕事はないか」「あはき(按摩・鍼・灸)の治療院を開業しているが、地方は不景気の影響で患者が少ない。状況を考えているがどうか」など、様々な相談が寄せられています。十分な回答ができない場合もあるが、極力情報提供に努めている。最後に、厚生労働省の吉泉氏・東京飯田橋職安の工藤氏には折々に貴重なアドバイスをいただき、この場を借りて感謝の意を表したい。
雇用連メーリングリストエンジン始動 事務局次長 伊藤慶昭
メーリングリストを開設して1年がたちました。登録者も月に数人ずつ増えて10月20日現在72名になりました。主に三療に従事している方が多く、勤務形態は自営・病院勤務など様々です。
メーリングリストでは、事務局からのお知らせや会報、『雇用連情報』の配信などを行うだけでなく、参加者相互の意見交換ができるようになっています。しかし「話題を雇用問題に限定する」という薬が効き過ぎたのか?、みなさん謙虚なのか?、書き込みは低調です。しかし最近、ホームページでの情報発信が功を奏して、視覚障害者の世界と交流の無かった盲学校卒業者以外の視障者が参加してくださるようになりました。そのような方から素朴な疑問が寄せられ、可能なかぎり事務局や参加者で回答しているので、少しは役立っているのかな?という感じです。
メーリングリストの利用は無料です。書き込む話題も、少しでも働くことに関係していれば「OK」としたいと思います。
参加希望の方、詳しいことを知りたい方は、koyouren
アットマークnpo−jp.net までメールを下さい。
「私の思い」 視覚障害者の文化を育てる会代表 竹田恭子
小さい頃、大きくなったらピアニストになりたいと思っていた。その夢は視力の有無に関係なく断念した。
高校生の頃、声優になりたいと思った。しかしこれは画面の絵(キャラクターの口)に合わせて台詞を言わなくてはならないと聞いて諦めた。何の工夫も考えずマイナス要素にぶつかっただけで自分の中で納得し、諦めてしまったように思う。
そんな頃アメリカでイリノイ州シカゴに住んでいる日本人Nさんに出会った。彼女は弱視だったように思う。仕事は中途失明の人に点字を教えると言うことだった。イリノイ州では盲学校には21歳までしか入れない。22歳以上で失明した人に家庭を訪問して点字を教えるとのことだった。そんな仕事があるんだなあととても新鮮に感じたことを覚えている。
大学卒業を間近にして就職をいろいろ考えるとき、小さい頃のようにあこがれだけではなれない現実の中で自分にできることは何かを考えていた。ふと高校生の時にあったNさんのことを思い出した。就職のことで相談にのってもらっていた人にNさんのような仕事がしたいといったとき先ず日本ではそういう仕事は無いだろうと言われた。
あれから時は流れた。今私は主に福祉専門学校で点字を教えている。統合教育を受けている小学生や中学生に点字の読み書きを手伝う家庭教師もやっている。少し条件や立場は違うがNさんのような仕事に就いている。
科学の発達と共に時代は著しく変化している。何事にもマイナス条件を出すのではなくどうすれば出来るようになるのかを考えることで、そのために必要な条件をプラス思考で見つけていく工夫が出来るようになりたいと思うようになった。発想の転換も柔軟に出来るように日頃から全ての感覚を養っていきたいと思っている。
個人会費並びに募金をお寄せ下さった方々
次の方々から、個人会費(賛助会費を含む)並びに募金をいただきました。ありがとうございました。(氏名は順不同 敬称は略させていただきます。ご了承下さい。)
2001年5月〜11月分
高山良太 金沢明二 駒込一幸 永井昌彦 竹田恭子 春日満治
小出真治 日暮つとむ 吉田重子 寺西勇二 加藤 純 堀井公子
鳥居富士雄 富安 猛 神戸定子 友寄隆光 芦田加寿夫 久松寅幸
小笠原ヨシオ 管野ヨシコ 寺西アキラ 夏目隆好 平坂けい子 石河正三
山城完治 織田 洋
主な活動日誌
2001年
4月 8日 臨時総会4月26日 在京幹事会
5月24日 在京幹事会
5月28日 手をつなごう全ての視覚障害者全国集会に参加・厚生労働省交渉
6月30日 若者を対象にした就職懇談会開催
6月30日 「会報」 創刊号発行
9月 9日 在京幹事会
10月27日 在京幹事会
11月25日 「会報」 第2号発行
12月9日 第12回総会及び講演会(予定)
12月10日 厚生労働省交渉(予定)